症例検討会 骨・軟部腫瘍23例
症例3—右大腿骨下端部骨腫瘍
山本 雅英
1
,
山崎 安朗
1
,
東田 紀彦
1
,
村本 潔
1
,
西島 雄一郎
1
,
石野 洋
1
,
佐々木 雅仁
1
,
岡田 正人
1
,
谷 和英
1
,
小西 二三男
2
,
武川 昭男
3
,
安念 有声
3
,
松能 久雄
3
1金沢医科大学整形外科
2金沢医科大学第1病理
3金沢医科大学第2病理
pp.474-478
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906342
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最近,われわれは再発を繰り返し,組織学的に悪性化傾向を示したため,切断術を余儀なくされた右大腿骨に発生した組織学的診断の困難であつた骨腫瘍の1例を経験した.
症例は41歳の女で,昭和44年初発,初発時,主訴は右膝関節痛,X線像では右大腿骨下端のmetaphysisからdiaphysisにかけて,約7cmにわたる不規則な骨透明層および外側後方の骨皮質破壊,内側には骨膜反応を呈していた.掻爬,骨移植術を受け,術中迅速凍結標本にてchondromyxoid fibromaと診断された(第3-1図).以後,昭和50年に2回,局所再発し,その都度,掻爬,骨移植術を受けた.昭和54年1月29日,再発のため当科へ入院した.現症では右膝関節部の骨性硬の腫瘤および屈曲,伸展制限を認め,臨床検査成績ではLDHの上昇,LDHisozyme 4,5の上昇,好中球の増多がみられた.
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