特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
総括
原発性良性脊椎腫瘍Bの部
大谷 清
1
Kiyoshi OTANI
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.323-324
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906096
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II-B-1の東京医大呉氏らは頸椎の黄色靱帯石灰化の4例を報告した.いずれも50歳〜60歳台の女性である.本症はX線写真のみでなく,CT像が診断を確実にしている.脊髄症状を呈した3例にenbloc laminectomyを行い,石灰化層を摘出している.頸椎に発生する本症は比較的稀であるが,新潟大本間氏はmyelopathyを呈した本症の5例を経験したと追加し,無症状のものを含めればかなりみられるのではないかと述べている.
II-B-2の神奈川リハビリテーションセンター林氏らは脊髄症状を伴つた第5,6胸椎椎間関節より発生した軟骨腫に後方進入で腫瘍を摘出し,軽快した1例を報告した.軟骨腫はよく手指骨にみられるが,脊椎に発生することは稀で,めずらしい症例である.岐大池田氏は脊椎に発生する軟骨腫は悪性化がみられることがあるので,長期follow upの必要があることを追加した.
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