カラーシリーズ Microsurgery・2
Microneurorrhaphyの基本手技
梁瀬 義章
1
,
広谷 速人
1
,
山本 潔
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.108-111
発行日 1978年2月25日
Published Date 1978/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905658
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手術手技;Funicular suture法を中心に
皮切は神経の走行に沿ってほぼ直上で十分に大きく加える.神経の露出は神経損傷部位が受傷機転などより必らずしも皮膚の創傷瘢痕部に一致しない場合が多いため,健常部にてまず神経を確認しタンポンガーゼなどをかけて目印とし,損傷部へ剥離してゆく.ここで神経上膜に8-0ナイロン1針ずつ結節縫合を行ない神経幹の位置づけをする(marker suture).
ついで顕微鏡の拡大下(10〜16倍)に両断端の瘢痕を切除し,神経束間の瘢痕も少なく健常な神経束が膨隆してくるレベルまで新鮮化する.瘢痕の切除には薄刃の安全カミソリの刃かMillesiのnerve scissorsを用いている.端々縫合に際して手術介助者は隣接関節を屈曲し,両断端を接近せしめ,その肢位を変えないようにする.中枢端と末梢端のfunicular pattern(第1図)をスケッチし,intraneural topographic atlasを参考にしながら対応する神経束を確認する.ほぼ180°の位置に8-0ナイロン各1針ずつstay sutureとし(第5,6図),他は8-0〜10-0ナイロンの結節縫合を行なう(第3,9図).
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