シンポジウム 頸部脊椎症性ミエロパチー
頸部脊椎症性ミエロパチーの臨床像と病型—頸部脊椎症性筋萎縮Cervical spondylotic amyotrophyの提唱とCrandall & Batzdorfの病型分類の問題点を中心として
祖父江 逸郎
1
,
加藤 寿雄
1
,
柳 務
1
Itsuro SOBUE
1
1名古屋大学医学部第一内科学教室
pp.999-1006
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905270
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頸部脊椎症では神経根障害,脊髄障害,椎骨動脈障害などによる種々の症状が様々の組合せであらわれ,その臨床像は多彩である.このうち脊髄障害を示す頸部脊椎症性ミエロパチーをとりあげてみても,実際の症例では脊髄病変のあり方により症候のあらわれ方は複雑である.また,神経根障害と脊髄障害のからみ合いがあるために,症候と病変の対比についても臨床的には必ずしもり明確に区分しにくいことも少なくない,したがつて臨床的には頸部脊椎症性ミエロパチーの範疇にどのような症例まで入るかについても種々の問題がある.頸部脊椎症性ミエロパチーの病型についても,これまでいろいろの分類1,2,3)が試みられているが,明確さに乏しく,それぞれの問題点がみられる.
本稿では,多数の自験症例を詳細に検討し臨床像を解析するとともに,従来広く使用されているCrandall & Batzdorfの病型分類についての問題点をさぐることにした.
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