検査法
整形外科領域におけるScanning Electron Microscopyの応用—IV.腱および腱鞘
井上 一
1
Hajime INOUE
1
1岡山大学医学部整形外科学教室
pp.504-513
発行日 1973年6月25日
Published Date 1973/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904852
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IV.腱および腱鞘
腱は,滑膜組織である腱鞘によつて包まれ,特に手や足の運動機能にとつて重要な役割を果している。しかし,腱および腱鞘の微細構造とその生理的機能との関連については,余り検索されていない8).ここでは,腱鞘内腔面を,腱をおおう部分(visceral layer)と側壁の部分(parietal layer)に分け,その表面の滑膜表層細胞を走査型電子顕微鏡(以下SEMと略す)下に検鏡し紹介する.さらに,腱の垂直切断面における線維構築をも観察したので紹介する.他方,腱の再生,癒着の問題は,臨床的に深い関心がもたれているが,著者らの切断腱縫合後における再生過程のSEM観察を一部紹介して考察する.
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