骨腫瘍カラーシリーズ—Secondary Bone Tumors
51.Lipoma (invasive)/52.Fibromatosis (invasive)
骨腫瘍委員会
pp.891-894
発行日 1971年11月25日
Published Date 1971/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904609
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症例59:2歳5カ月,女児.生後7カ月の頃,家人が右大腿上部の母指頭大の腫瘤に気付いている.10カ月の頃より急速に腫瘤が増大して来たので,某病院を受診し,腫瘤の摘出術を受けた.術後間もなく再び腫瘤を生じ,それが次第に増大したので2歳5カ月時に当院を訪れた,外来時右大腿の強度の腫大と,破行が軽度に認められた.右大腿上部に弾性硬の腫瘤を触れ,皮膚の静脈怒張も認められたが,局所熱感,発赤はなく,鼠径リンパ節の腫大も触れなかつた.X線像では右大腿骨の骨皮質の圧痕像がみられた.試験切除の結果脂肪腫と診断し,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は薄い結合織の被膜に被われ,周囲との境界は明瞭で,筋層内に存在していたが,骨組織への浸潤はみられなかつた.重量は350g,結節状を示す黄色の腫瘍であつた.術後6カ月を経て,腫瘍の再発もなく,歩容も全く正常となつていた.(国立がんセンター)
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