診療の経験から
われわれの神経縫合法の実際
諸富 武文
1
,
岡崎 清二
1
,
川上 登
1
,
水田 早苗
1
,
根本 元
1
Takefumi MOROTOMI
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
pp.1215-1221
発行日 1967年12月25日
Published Date 1967/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904337
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
神経縫合法には古くから色々の方法が考案されてはいるが(第1図),一般には予後の芳しからぬ手術の一つと考えられており,このためこの先入観に支配されおろそかに取扱われ,最も大切な早期の薬物療法や新鮮時の手術的処置が不充分な場合が多いようである.その結果,萎縮や変形が高度となり,数ヵ月も経たのちに初めてわれわれの外来を訪れるというケースが多い.
この点に鑑みわれわれの教室では,数年来行なつてきている末梢神経麻痺の治療に関する研究2)4)6)7)の一環として,神経縫合法についても独自の方法を開発し,すでに基礎的実験や臨床成績について,種々の学会および雑誌に発表してきたところである.今回は既報の成績とは別に,実際に神経切断麻痺と思われる症例に遭遇した場合にわれわれの教室ではどのような処置を行なつているか,あるいはどのようにして手術を行なうかという実際上の手技についてのべ,多少の考察を加えた.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.