シンポジウム 脳性麻痺
社会的問題
小池 文英
1
Fumihide KOIKE
1
1整肢療護園
pp.802-809
発行日 1967年8月25日
Published Date 1967/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904272
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はじめに
私に与えられた課題は脳性麻痺(以下CPと称する)の"社会的問題"であるが,この社会的問題ということばは2様にとれるであろう.すなわち,1人のCP児のもつ諸問題—医学的,教育的,心理的,社会的,職業的な諸種の問題のうちから,社会的な問題だけを抽出して考察する,という立場と,もう一つはもつと広義の立場からCPの問題を考察する,すなわち,個々のCP児の診断と治療という臨床的な立場を離れて,いわば巨視的な角度からCPの問題を眺めてみる,という立場である.
本篇においては,前者の立場をとることは,むしろ適切とは思われないので,後者の立場をとることとした.すなわち,CPの出題を医学的面をも含めて1つの社会的問題として考察してみることとする.
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