臨床経験
手根管症候群の7例
新野 徳
1
,
井手 正敏
1
,
板東 祐和
1
,
田村 大司
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.971-978
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903850
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手根関節屈側において手根骨と横手根靱帯(Lig. Carpi transversum)にかこまれた管腔の間を正中神経並びに浅指屈筋,深指屈筋等多数の腱が通つており,種々の原因によつてこの管腔に障害が起ると先ず正中神経が圧迫を受ける.従つて,これより末梢の正中神経の支配領域である手掌から母指,示指,中指並びに環指の橈側にかけて疼痛,知覚異常,知覚脱失,筋萎縮等が現れる.これらの疾患は手根管症候群として1911年Huntによつて始めて報告され,Cannon等(1916)によつて更に詳細に記載された.我々の教室でも昭和30年より10年間に7例の患者を経験したのでここにまとめて報告する.
症例は女性が5例,男性が2例であり(第1表)左右別ては右4,左3例であつた.
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