臨床経験
乳幼児の弾撥指について
宗近 靖
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.533-537
発行日 1966年8月25日
Published Date 1966/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903793
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我々が日常比較的多く見かける乳幼児の手指の運動障害に弾撥指がある.1850年Nottaにより報告されて以来,その成因,治療に関して鍾々の報告がみられる.乳幼児弾撥指は靱帯性腱鞘の肥厚及び屈筋腱の紡錘状肥厚によりpulleyの相対的な狭窄が起り発症することは周知の事実である.しかしその成因に関しては現在尚多説があり,又治療に関しても適正な処置がとられていない現況である.
今回慶大整形外科を訪れた,乳幼児弾撥指について最近7年間97症例118指について調査し,40症例50指の遠隔成績を知り得たので特にその成因並びに治療について若干の考察を加えて報告する.
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