Japanese
English
症例報告
内側および外側で関節包が断裂した反復性肩関節前方脱臼の1例
Recurrent Anterior Shoulder Dislocation Associated with Medial and Lateral Capsular Tear : A Case Report
竹内 克仁
1,2
,
小川 清久
1
,
井口 理
1
,
大串 一彦
1
,
戸山 芳昭
1
Katsuhito Takeuchi
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科
2現:さいたま市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
recurrent shoulder dislocation
,
反復性肩関節脱臼
,
capsular tear
,
関節包断裂
Keyword:
recurrent shoulder dislocation
,
反復性肩関節脱臼
,
capsular tear
,
関節包断裂
pp.179-182
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903481
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抄録:関節包が内側および外側で断裂した反復性肩関節前方脱臼の1例を経験したので報告する.症例は28歳男性で,19歳時スキーで転倒し,上肢の挙上を強制されて初回脱臼した.以後2回の脱臼,20回の亜脱臼をし,当科を受診した.反復性脱臼の定型的な臨床所見を呈し,空気造影CTでも前下方部に小さな憩室状の膨大部を認める以外は定型像であった.術中,関節包は内・外側で断裂していた.断裂高位は外側では中関節上腕靱帯,内側では下関節上腕靱帯の領域に一致していた.関節唇にBankart修復を行い,関節包断裂部は原位置に縫合した.術後2年の現在,日常生活動作に制限なく経過良好である.文献的には関節包断裂の頻度は概ね10%以下であるが,自験例のように内・外側で断裂した報告はない.関節包の損傷形態は多彩なので見逃さないために,術前の関節鏡視による全体像の詳細な把握もしくは関節包を広く展開する術式の選択が必要である.
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