Japanese
English
症例報告
半膜様筋腱による弾発膝の1例
Snapping Knee Caused by the Semimembranosus Tendon : A Case Report
三尾 太
1
,
大谷 俊郎
1
,
松本 秀男
1
,
須田 康文
1
,
戸山 芳昭
1
Futoshi Mio
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
snapping knee
,
弾発膝
,
semimembranosus tendon
,
半膜様筋腱
Keyword:
snapping knee
,
弾発膝
,
semimembranosus tendon
,
半膜様筋腱
pp.691-694
発行日 2001年5月25日
Published Date 2001/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903294
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抄録:半膜様筋腱による稀な弾発膝を経験したので報告する.症例は32歳男性で,13年前より両膝関節の弾発現象が生じ,膝関節後内側部の滑液包炎の診断で近医で滑液包摘出術を数回施行されていた.右膝関節の弾発現象は消失したものの左膝に弾発現象が残存したため当科を受診した.弾発現象を生じる前後のMRIプロトン強調画像と術中所見から,本症例の病態は大腿骨内側顆後面と半膜様筋腱の機械的摩擦により,半膜様筋滑液包が肥厚して弾発現象が生じたものと考えられた.治療は滑液包の摘出のみでは不十分で,術後早期に滑液包が再発したため半膜様筋腱の切離,移行が必要であった.術後1年8カ月の現在,弾発現象の再発は認められず社会復帰しているが,膝関節のわずかな過伸展傾向が認められるため,さらに長期の経過観察が必要と考えられる.
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