Japanese
English
臨床経験
母趾多趾症に伴った先天性内反母趾の1例
A Case of Congenital Hallux Varus with Duplication of the Toe
井上 次郎
1
,
鎌田 真彦
1
,
萩原 明彦
1
,
原 和比古
1
,
高岸 憲二
2
Jiro Inoue
1
1公立藤岡総合病院整形外科
2群馬大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Public Fujioka Hospital
キーワード:
congenital hallux varus
,
先天性内反母趾
,
polydactyly
,
多趾症
Keyword:
congenital hallux varus
,
先天性内反母趾
,
polydactyly
,
多趾症
pp.943-945
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903053
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抄録:今回われわれは,母趾多趾症に伴った先天性内反母趾の1例を経験したので報告する.症例;7カ月の男児.家族歴;特記すべきことなし.現病歴;妊娠中異常なし.正常分娩.生下時より左母趾に内反変形を認めた.現症;左母趾が内反し,さらにその内側に余剰趾様の突出があり,皮下に,中足骨から基節骨レベルにおいて硬い索状物を触れた.X線像では,MP関節にて約40°内反していた.手術では,白く硬い索状物を切除,第1中足骨より母趾外転筋の筋腹を切離した.これにても,やや内反傾向残り,これは関節の形状によるものと思われた.外見上,母趾最大内転位としてKirschner鋼線を母趾先端より刺入し,矯正位を保持した.摘出した索状物の組織学的所見は軟骨組織であった.術後,Kirschner鋼線は4週で抜去した.術後1年の現在,内反傾向の再発は認められない.自験例は母趾多趾症の不全例であった.
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