Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)
大孔前縁腫瘍へのSuboccipital Condylar Approach
The Suboccipital Condylar Approach to the Tumors Located on the Anterior Craniocervical Junction
島本 佳憲
1
,
河瀬 斌
1
,
吉田 一成
1
,
内田 耕一
1
Yoshinori Shimamoto
1
1慶應義塾大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
craniocervical junction
,
頭蓋頚椎移行部
,
clivus
,
斜台
,
transcondylar approach
,
経後頭顆アプローチ
Keyword:
craniocervical junction
,
頭蓋頚椎移行部
,
clivus
,
斜台
,
transcondylar approach
,
経後頭顆アプローチ
pp.363-369
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902953
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抄録:Suboccipital condylar approachでは通常の後頭下開頭にoccipital condyleの後内側部切除を加え,さらに脊椎管内に腫瘍が進展している症例では,C1,C2半弓切除、および環椎後頭関節の部分切除を追加し,一方,斜台中下部への進展が認められる症例ではjugular tubercleを硬膜外から追加削除する.これらの硬膜外からの骨削除により、硬膜内にて脳幹の圧排を全く要さずに良好な術野にて腫瘍を摘出することが可能となる.同アプローチにて8例の大孔前縁腫瘍摘出を施行し,7例において全摘出された.2例で術後に嚥下障害を来たしたが,3カ月で経口摂取可能となった.1例は術後7病日に原因不明の呼吸停止を来たし遷延性意識障害を来たした.この1例以外は平均4.2年の経過観察において,腫瘍の再発増大はなく現在社会活動可能な状態である.大孔周辺の手術解剖に熟知し,各症例ごとに術前充分な検討を行い,必要最小限の骨削除にて腫瘍の摘出を行うことが重要である.
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