講座
認定医トレーニング講座―画像篇・29
中井 修
1
1九段坂病院整形外科
pp.210-215
発行日 1999年2月25日
Published Date 1999/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902645
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症例:73歳,男性,会社役員
1995年頃から誘因なく,右下肢後面の痛みと腰痛を生じた.民間のマッサージなどを受けていたところ,1997年6月頃には一旦消失した.1998年初めより,右殿部から大腿後面,下腿後面,右足背外側にかけての痛み,しびれが再発,歩行は300mで立ち止まらざるを得なくなった.ゴルフなどで長く歩いた後は,夜間痛も起きるようになった.
初診時所見:腰椎運動制限なし.運動痛なし.SLR試験陰性.Femoral Nerve Stretch試験は右で膝関節痛を生じ,左は陰性であった.右Valleix徴候陽性であった.膝蓋腱反射は両側低下で左右差なく,アキレス腱反射は両側消失していた.膀胱直腸障害を認めず,知覚障害もなかった,右前𦙾骨筋がMMT4に低下していた.それ以外の筋力低下はなかった.両膝関節には中等度の変形性関節症を認め,痛みによりしゃがみこみ不能であった.
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