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特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
頚椎後縦靱帯骨化症の臨床経過と脊髄症状発現機序について
Clinical Course and Mechanism of Myelopathy on Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament in the Cervical Spine
久木田 信
1
,
松永 俊二
1
,
永野 聡
1
,
川畑 了大
1
,
酒匂 崇
1
Makoto Kukita
1
1鹿児島大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic surgery, Faculty of medicine, Kagoshima University
キーワード:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
頚椎後縦靱帯骨化症
,
myelopathy
,
脊髄症状
,
dynamic factor
,
動的因子
Keyword:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
頚椎後縦靱帯骨化症
,
myelopathy
,
脊髄症状
,
dynamic factor
,
動的因子
pp.419-423
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902410
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抄録:頚椎後縦靱帯骨化症の臨床症状の推移を静的圧迫因子と動的因子の関係から脊髄症状発現の機序について検討した.対象は,平均11年2カ月追跡調査した保存経過観察症例167例と,初診時に脊髄症状を呈し手術を施行した80例の計247例である.経過観察中に脊髄症状が発現したり増悪したものは167例中37例であった.脊髄症状を認める群の最小残余脊柱管径は認めない群より有意に小さく,また最小残余脊柱管径が6mm未満で全例脊髄症状を呈し,14mm以上ではみられなかった.最小残余脊柱管径が6mm以上14mm未満の症例は脊髄症状の有無と最小残余脊柱管径に相関は認めず,頚椎全可動域が脊髄症状を認める群で有意に大きかった.このことから骨化靱帯による病的圧迫は一定の臨界点を超えると脊髄症状を惹起する最も重要な因子であるが,それ以下の状態では動的因子の関与が大きいと考えられた.
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