Japanese
English
臨床経験
異常筋を伴った片側上肢肥大の1例
Hemihypertrophy of Upper Limb with Aberrant Muscles : A Case Report
森 幹士
1
,
本城 昌
1
,
茶野 徳宏
1
,
福田 眞輔
1
Kanji Mori
1
1滋賀医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shiga University of Medical Science
キーワード:
aberrant muscle
,
異常筋
,
hemihypertrophy
,
肥大
,
upper limb
,
上肢
Keyword:
aberrant muscle
,
異常筋
,
hemihypertrophy
,
肥大
,
upper limb
,
上肢
pp.1155-1158
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902018
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抄録:異常筋を伴った片側上肢肥大の症例を報告する.症例は20歳の女性である.単純X線,CT,MRI等の検索で,右手手指骨の肥大,示指の尺側偏位および右上肢,特に手部での筋肥大を認めた.示指尺側偏位,片側上肢肥大の特徴より,腫瘍性疾患,RA等の関節疾患,さらにdistal arthrogryposisも考えられたが,臨床所見より上記疾患は否定され,異常筋を伴う片側上肢肥大が疑われた.術中,異常筋の存在を認め,異常筋の切除,中手骨の骨切りを併用した示指尺側変位の矯正術を行った.本症例でみられた異常筋の一つ(短指伸筋)は,分化上の先祖帰り,atavistic muscleと考えられている.他の異常筋も同様に,系統発生学上の進化過程にある不安定な筋群より出現し,筋肥大や片側上肢肥大を起こしたものと考えた.
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