Japanese
English
臨床経験
骨折治療の経過中に肺塞栓症で死亡した2例
Two Cases of Pulmonary Embolism in the Treatment of Fractures
笠井 裕一
1
,
岡田 元
1
,
関口 章司
1
,
須藤 啓広
1
,
塩川 靖夫
1
,
荻原 義郎
1
,
竹内 正嘉
2
,
中村 真潮
3
Yuichi Kasai
1
1三重大学医学部整形外科学教室
2山田赤十字病院循環器内科
3石川病院内科
1Department of Orthopaedic Surgery, Mie University School of Medicine
キーワード:
fracture
,
骨折
,
pulmonary embolism
,
肺塞栓症
,
necropsy
,
剖検
Keyword:
fracture
,
骨折
,
pulmonary embolism
,
肺塞栓症
,
necropsy
,
剖検
pp.779-782
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901939
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抄録:骨折治療の経過中に肺塞栓症で死亡した2例を経験したので報告する.症例1は54歳,女性で,左足関節開放性脱臼骨折で受傷5日後に観血的骨接合術が行われ,術後19日目に突然,意識消失,呼吸困難となり死亡した.剖検所見では,左下腿に深部静脈血栓の形成がみられ,左主肺動脈と右肺動脈下枝に赤色塞栓が確認された.症例2は21歳,男性で,右中心性股関節脱臼などの診断で入院し,受傷14日後に突然,不穏状態,呼吸停止となり死亡した.剖検所見では,下大静脈血栓の形成がみられ,肺動脈幹から左右肺動脈分岐部にわたって赤色塞栓が確認された.今回の2症例を経験して,肺塞栓症発症の危険因子を多く有するハイリスク患者群を認識することが早期診断や治療を行うために最重要であると思われた.
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