Japanese
English
臨床経験
腰椎高度後方脱臼骨折に施行した反張位牽引療法
A Case Report of Posterior Fracture-dislocation of Lumbar Spine: Hyperextention Traction Therapy
千川 隆志
1
,
川端 義正
1
,
浦岡 秀行
1
,
杉峰 雅彦
1
Takashi Chikawa
1
1徳島県立海部病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kaifu Prefectural Hospital
キーワード:
腰椎
,
lumbar spine
,
後方脱臼
,
posterior dislocation
,
反張位牽引療法
,
hyperextention traction therapy
Keyword:
腰椎
,
lumbar spine
,
後方脱臼
,
posterior dislocation
,
反張位牽引療法
,
hyperextention traction therapy
pp.1209-1212
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900972
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抄録:腰椎脱臼骨折の多くは,胸腰椎移行部に発生し,しかも前方脱臼骨折の型をとるが,中・下位腰椎の後方脱臼骨折は稀である.今回我々は,高度の転位を伴った腰椎後方脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は58歳男性で,山桃の木より転落し受傷した.腰背部痛と歩行不能を訴え,両下肢不全麻痺の状態で来院し,X線上第2腰椎後方脱臼骨折と第3腰椎粉砕骨折を認めた.両大腿骨鋼線牽引に対抗牽引と吊り上げ法を追加した反張位牽引を施行し,良好な整復位が得られた.その後牽引を継続しつつ,その位置で反復位ギプス固定を行った.受傷後10週目に,第3腰椎椎弓切除による除圧,Harrington rodによる後方固定および後側方固定術を施行した.術後はADL上ほぼ支障なく独歩可能で経過良好である.治療は脊椎損傷一般に言えるように,早期の整復固定が必要であり,本例では良好な整復位を保持するのに反張位牽引療法が有効であった.
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