Japanese
English
論述
軟部腫瘍におけるMRIの臨床的意義
Clinical Significance of Magnetic Resonance Imaging for Soft Tissue Tumors
伊藤 公一
1
,
牛山 隆
1
,
原田 栄志
1
,
豊岡 聡
1
,
山本 謙吾
1
,
今給黎 篤弘
1
,
三浦 幸雄
1
,
海老原 善郎
2
Kouichi Itoh
1
1東京医科大学整形外科学教室
2東京医科大学病院病理部
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical College
キーワード:
磁気共鳴映像法
,
MRI
,
軟部腫瘍
,
soft tissue tumors
,
組織学的所見
,
histological findings
Keyword:
磁気共鳴映像法
,
MRI
,
軟部腫瘍
,
soft tissue tumors
,
組織学的所見
,
histological findings
pp.667-676
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900868
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抄録:我々は軟部腫瘍45例に対しMRIを施行し,その臨床的意義について検討した.0.5および1.5Tesla超伝導磁場装置を用い,SE法でT1,T2強調像,Gd-DTPA enhance像を撮像した.腫瘍の撮像条件は骨や脂肪との関係はT1強調像,周囲筋肉や血管との関係はT2強調像が有用で,enhance像はviable領域と壊死領域の鑑別,周辺浮腫の識別やvascularityの把握に有用であった.またT1,T2強調像の組み合わせにより,出血,壊死,線維化,のう胞性変化などの組織学的変化の識別が可能であった.良性・悪性の鑑別では,腫瘍形態,境界部性状,内部均一性,周囲軟部組織や骨への浸潤の5項目につき検討し,MRI評価点数を試案した結果,両者間に有意差が認められた.質的診断に関しては脂肪腫,血管腫等,一部を除き困難であった.切除標本とのサイズ比較では,MRIが平均2.1mmの過大評価となっており,腫瘍周辺の炎症や浮腫を病巣と評価するのが原因であると考察された.
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