Japanese
English
臨床経験
壊死性筋膜炎の1例―早期診断におけるMRIの有用性
A Case of Necrotizing Fasciitis: with Special Reference to the Usefulness of MRI for Early Diagnosis
吉野 恭正
1
,
飯塚 正
1
,
井上 哲夫
1
Yasumasa Yoshino
1
1埼玉医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Saitama Medical School
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
necrotizing fasciitis
,
MRI
,
早期診断
,
early diagnosis
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
necrotizing fasciitis
,
MRI
,
早期診断
,
early diagnosis
pp.161-165
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900784
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抄録:壊死性筋膜炎は比較的稀な細菌感染症で,診断および外科的治療が遅れると敗血症で死亡(本邦報告55例中12例で死亡率約20%)し,予後不良である.MRIが早期診断に役立ち,治癒しえた1例を経験したので報告する.
症例は,40歳の男性で,平成2年11月25日転倒し,左膝に擦過傷を生じた.受傷後8日目より急激に同部の有痛性腫脹が出現し,抗生剤投与を受けたが症状は増悪し,12日目に入院となった.単純X線像で軟部組織にガス像は認めず,MRIのT2強調画像で,広範囲かつ全周性に浅層筋膜を中心に高信号領域を認めた.MRI所見と臨床症状より壊死性筋膜炎を疑い,入院当日生検し,確定診断した.3回のデブリドマン後植皮し,治癒し得た.渉猟しえた範囲では,本疾患のMR1像の報告はない.今回,MRI像が早期診断に役立ち,下肢切断することなく治癒できた.MR1は本疾患の早期診断に対する有力な補助診断法である.
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