Japanese
English
臨床経験
Necrotizing fasciitis(壊死性筋膜炎)の2例
Two Cases of Necrotizing Fasciitis
仲尾 保志
1
,
浜野 泰之
1
,
木村 記行
1
,
小野 俊明
1
,
野本 聡
1
,
向井 万起男
2
Yasushi Nakao
1
1済生会宇都宮病院整形外科
2慶應義塾大学医学部病理学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Saiseikai Utsunomiya Hospital
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
necrotizing fasciitis
,
壊疽
,
gangrene
,
丹毒
,
erysipelas
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
necrotizing fasciitis
,
壊疽
,
gangrene
,
丹毒
,
erysipelas
pp.329-333
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907808
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抄録:Necrotizing fasciitisは,外傷などを契機とする細菌感染によっておこり,重篤な全身症状を伴いながら急速に筋膜の壊死が進行する比較的稀な疾患である.今回我々はその2症例を経験した.症例1は21歳男性で,誘因なく左下腿に生じた紅斑が壊死化を伴って急速に下肢全体に拡大,壊死組織の全切除によって救命はし得たが下腿切断を余儀なくされた.症例2は19歳男性で,右大腿骨骨折・左大腿部挫創後,脂肪塞栓を併発,さらに両大腿に生じた紅斑は壊死化を伴って臍部から両下肢に拡大,数回にわたり壊死組織切除を行ったが敗血症性ショックで死亡した.本症の治療では,化学療法や切開排膿のみでは根治が得られず,できるかぎり早期にsurgical débridement(壊死組織の全切除)が行われなければならない.その施行時期が生命予後を左右するとも言われており,外傷を扱うに際して本症の存在を認識しておくことが必要である.
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