増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル
外傷編
小児の外傷
小児外傷のみかた/[COLUMN]ATFL viewを撮ろう
滝川 一晴
1
Kazuharu TAKIKAWA
1
1静岡県立こども病院整形外科
pp.615-616
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202030
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労を惜しまない
適切な治療を行うためには正しい診断が必須である.低年齢なほど,問診情報を得ることや指示に従う動きから情報を得ることは難しくなるため,小児では特に視触診がカギを握る.患部が衣類で確認できない際は,衣類を脱がし必ず患部の状態を視診する.
正しい正面および側面のX線像を得ることが診断を行ううえで最も重要なことの1つであるが,疼痛の強い場合などは難しいこともある.労を惜しまず医師が立ち会い,撮影肢位に指示を出すとともに,患肢を動かさずにX線の管球を回転させて撮影する(肘関節周囲の骨折では肩関節を内外旋して肘関節側面像を撮影するのではなく,カセッテを脇にはさみcross tableで側面像を撮影)など,X線撮影時になるべく疼痛を生じさせない配慮が大切である1).
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