境界領域/知っておきたい
ニューロリハビリテーション—明日からの臨床に役立つ知識
岡崎 英人
1
,
園田 茂
2
Hideto OKAZAKI
1
,
Shigeru SONODA
2
1藤田保健衛生大学医学部連携リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅱ講座
pp.522-525
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200551
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はじめに
脳卒中はリスクとなる疾患の有病率の低下とともに,その発症率は低下してきている1)が,現在でも死因の第4位2)を占める.介護保険の要介護認定においても脳血管疾患が最も多く3),現在でも多くの脳卒中患者が障害を有したまま生活している.そのため,機能障害に対してアプローチを行い,機能回復を目指すことは非常に重要となる.これまで脳の再生は,Cajalが1928年の論文で,成熟した中枢神経は損傷を受けると2度と再生しないと報告し4),近年までその定説が信じられてきた.そのため脳卒中片麻痺のリハビリテーション(リハビリ)は,非麻痺側を使用する代償手段が中心だった.しかし1990年代から麻痺肢の機能回復に伴い運動野の賦活領域が拡大すると報告され,脳卒中後の麻痺の回復は脳の可塑性が関与していると考えられるようになった.この脳の可塑性を利用したリハビリは現在,「ニューロリハビリテーション」として注目されている.本稿では近年行われているニューロリハビリで,実際の臨床で行われている訓練法を中心に解説する.
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