最新基礎科学/知っておきたい
新たな細胞間コミュニケーション因子としての分泌microRNA
味八木 茂
1,2
,
安達 伸生
2
,
越智 光夫
2
1広島大学病院再生医療部
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院整形外科
pp.1086-1089
発行日 2012年11月25日
Published Date 2012/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102510
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■はじめに
多くの疾患は,細胞内における遺伝子発現異常により引き起こされると考えられる.ゲノムプロジェクトによる解析から,ゲノム中でタンパク質をコードしている遺伝子はわずか2%程度であり,その遺伝子数は,生物種間でほぼ同じであることが明らかになった.そして,タンパク質をコードしていない領域から転写される以前までタンパク質になることができずに機能を持たない,いわばゴミのようなものだと考えられてきたノンコーディングRNAが種間の違いをもたらし,遺伝子発現の様々な過程(転写や翻訳など)に関与する重要な鍵であることが示唆されてきた.本稿では,ノンコーディングRNAの一つであるmicroRNA(以下,miRNA)を,変形性関節症に関与するmiRNAを例に解説するとともに,ここ数年注目され始めた分泌miRNAについて概説する.
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