最新基礎科学/知っておきたい
関節リウマチ新規関連遺伝子CCR6
高地 雄太
1
,
山本 一彦
1,2
1理化学研究所ゲノム医科学研究センター自己免疫疾患研究チーム
2東京大学大学院医学系研究科内科学アレルギー・リウマチ学
pp.994-997
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101832
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■はじめに
ヒトゲノム全体を探索するゲノムワイド関連解析(genome-wide association study;GWAS)が可能になったことにより,疾患感受性遺伝子研究は飛躍的に進歩したといえる3).整形外科領域においても,関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA),変形性関節症,強直性脊椎炎などの疾患でGWASが行われ,その遺伝的背景の概要が明らかになりつつある.われわれは日本人RAにおけるGWASを行い,ケモカインレセプターをコードするC-C chemokine receptor type 6(CCR6)遺伝子を新規RA関連遺伝子として同定した6).CCR6は,自己免疫疾患の病態で近年注目されているT細胞のサブセット,Th17細胞で高発現している1).本稿では,CCR6遺伝子の多型が遺伝子発現に与える影響を示すとともに,RAにおけるTh17細胞の役割についても述べる.
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