視座
インターネットの時代における手術手技の伝承と学会発表
酒井 宏哉
1
Hiroya SAKAI
1
1埼玉医科大学総合医療センター整形外科
pp.1491-1493
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100586
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2004年7月9~10日に東京にて日本関節鏡学会の主催で開催された第22回関節鏡セミナー(担当:井上和彦 第30回日本関節鏡学会会長)に講師の1人として参加させていただいた.
今回の目玉は手術室から会場へ同時中継するライブサージェリーであった.遠く離れた病院で実際にその時に行われている手術が同時中継され,会場のスクリーンに映し出される.映し出される画面は術者の手元であったり関節鏡のモニター画像であったりする.音声も同時に伝えられるので,術者が手を動かしながら話す手術所見や手技についての説明が聞こえるのと同時に,会場からも術者に対してどんどん質問ができる.従来の手術ビデオとの違いは,編集を経ないライブの映像であるため,手術のちょっとしたもたつきもすべてそのまま映し出され,さらに聴衆は単に見ているばかりでなく術者に対して質問もできるという双方向のコミュニケーションが可能であるという点であり,まさに手術室に入って手術を見学しているのにほぼ等しい情報量が得られる.このような斬新な企画を試みた井上先生をはじめご担当の先生方,ならびに見ず知らずの医師も含めた不特定多数の聴衆に,そのままの手技を披露するという計り知れないプレッシャーの中で手術を成功させた術者の先生方にはあらためて敬意を表したい.大成功であった.
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