特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅳ.結腸癌
完全閉塞を伴う結腸癌に対する一期的手術
河村 裕
1
,
小西 文雄
1
Yutaka KAWAMURA
1
1自治医科大学附属大宮医療センター外科
pp.153-158
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904644
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症例
症例は54歳,男性.開腹手術歴なし.3日前から出現した腹部膨満,排便・排ガスの停止および嘔吐のため受診した.身体所見上著明な腹部膨満を認めた.腹部に圧痛はなく,腫瘤を触知しなかった.直腸指診でも腫瘤は触知しなかった.
腸閉塞が疑われ,直ちに腹部単純X線写真を撮影した.臥位の写真では多数の高度に拡張した小腸ループが認められ,立位の写真ではこれら小腸ループが鏡面像を形成していた(図1,2).大腸ガスは目立たず,左側結腸内に便が認められた.以上から,遠位小腸ないし大腸の閉塞と診断した.腹部所見からは絞扼はないと考えられた.原因診断とともに絶食・補液および減圧が必要であり,入院加療とした.
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