Japanese
English
臨床報告・1
大動脈解離による腹腔動脈閉塞に伴う胃・脾・膵体尾部梗塞の1例
A case of infarction of the stomach, spleen, and pancreas with celiac artery occlusion
中村 貴成
1
,
柴田 高
1
,
藤田 淳也
1
,
北田 昌之
1
,
島野 高志
1
,
高見 元敞
1
Takaaki NAKAMURA
1
1市立豊中病院外科
キーワード:
解離性大動脈瘤
,
腹腔動脈閉塞
,
胃梗塞
Keyword:
解離性大動脈瘤
,
腹腔動脈閉塞
,
胃梗塞
pp.553-556
発行日 2001年4月20日
Published Date 2001/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904443
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はじめに
解離性大動脈瘤の進行により解離腔が腹腔内主要動脈の起始部を巻き込み,これらの血流障害から臓器循環障害・虚血性腸炎・腸管壊死などに陥ることが報告されている1,2).解離性大動脈瘤では解離腔から出ている動脈分枝はreentryがない限り血流が維持されず,支配臓器の虚血や壊死を引き起こすためと考えられる.大動脈解離に腸管の虚血・壊死を合併する頻度は約5%で,その死亡率は80%を超えると報告されている1,2).
今回筆者らは胸部大動脈瘤人工血管置換術後に大動脈解離の進行により腹腔動脈が閉塞し,胃・脾・膵体尾部梗塞をきたした症例を経験し,診断に苦慮しながらも緊急手術にて救命しえたので報告する.
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