増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
D.開腹的手術
1.上皮小体の手術
上皮小体摘除術
山口 聡
1
,
八竹 直
1
Satoshi Yamaguchi
1
1旭川医科大学泌尿器科
pp.92-96
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903192
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1 はじめに
再発性尿路結石症の原因を追求した結果,原発性上皮小体機能亢進症の存在が明らかになったり,透析患者を長期間管理する上で,続発性上皮小体機能亢進症による腎性骨異栄養症が問題となるなど,泌尿器科領域において上皮小体疾患の関与は徐々に増加している。また,CT,超音波断層法,シンチグラフィーなどの画像診断の進歩により,上皮小体機能亢進症の局在診断がかなり正確に行われるようになり,その外科的治療にも泌尿器科医が積極的にかかわるべき状況となりつつある。
しかし一方では,上皮小体が存在する頸部領域は,通常,一般の泌尿器科医にはなじみの薄い部位であるため,術中の合併症には十分に留意する必要がある。また,術後の管理についてもいくつかの特殊性を有しているため,本稿ではその要点について解説したい。なお,本手術の詳細な方法については,成書1,2)を参考にしていただきたい。
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