Japanese
English
特集 高齢者の外科—キュアとケア
高齢者上部消化管癌に対する外科治療
Surgical treatment in elderly patients with carcinoma of the esophagus and the stomach
夏越 祥次
1
,
愛甲 孝
1
,
馬場 政道
1
,
帆北 修一
1
,
石神 純也
1
Shoji NATSUGOE
1
1鹿児島大学医学部第1外科
キーワード:
高齢者食道癌
,
高齢者胃癌
,
術前合併症
,
術後合併症
Keyword:
高齢者食道癌
,
高齢者胃癌
,
術前合併症
,
術後合併症
pp.995-999
発行日 1995年8月20日
Published Date 1995/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901935
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70歳以上の食道癌切除例72例と胃癌切除例98例を対象として,上部消化管癌における高齢者の外科治療の現況と問題点について検討した.70歳以上では約50%に術前合併症を認め,80歳以上では複数臓器の合併症が85%にみられた.術式は,加齢とともにリンパ節郭清は控えられていた.術後合併症は50%以上,特に80歳以上では65%に認められた.手術直接死亡率は2.9%であったが,70〜74歳の拡大手術例や80歳以上の手術を契機として,続発する合併症死に対する術式の選択に関する再考および退院後の他病死と手術との関連性を検討する必要がある.術前の身体的状況と癌の進行度を十分に把握したうえで手術の是非を決定し,70〜75歳では絶対的治癒切除を,75〜79歳では相対的非治癒切除以上を基本方針と考え,80歳以上ではキュアよりもケアをより重視した治療方針を検討すべきである.
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