書評
—衣袋健司(著)—腹部血管画像解剖アトラス
松井 修
1
1金沢大
pp.1541
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212322
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私の畏友,三井記念病院放射線診断科部長 衣袋健司先生が,待望の腹部血管画像解剖の教科書をついに出版された.世界初ともいえる腹部の最新の画像解剖と肉眼解剖の対比から成る画期的な教科書といえる.
先生は長く臨床の第一線で腹部を中心としてinterventional radiology(IVR)と画像診断に従事され,示唆に富む知見や新しい技術を報告されてきた.その独特の視点や理論的背景の確かさから,“知る人ぞ知る”気鋭の臨床放射線科医としてわれわれの間では高く評価されてきた.その背景に深い肉眼解剖学の研究があることを知り感銘を受けたことを思い出す.先生は,第一線臨床の傍ら,週末には母校・東京医科歯科大の解剖学教室で実際に死体解剖を長年行い,臨床放射線科医の立場から,肉眼解剖に基づいた新しい画像解剖所見を見出し発表されてこられたのである.その重みは計り知れない.
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