Japanese
English
臨床報告
術前診断が可能であった大腿ヘルニア内虫垂嵌頓の1例
A case of a femoral hernia with incarceration of the appendix diagnosed preoperatively
吉田 孝司
1
,
三井 秀雄
1
,
金澤 伸郎
1
,
黒岩 厚二郎
1
Takashi YOSHIDA
1
1東京都健康長寿医療センター外科
キーワード:
大腿ヘルニア
,
虫垂嵌頓
,
de Garengeot hernia
Keyword:
大腿ヘルニア
,
虫垂嵌頓
,
de Garengeot hernia
pp.1013-1017
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211714
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要旨
症例は79歳,男性.主訴は右鼠径部膨隆.1週間前より右鼠径部膨隆を自覚し,近医を受診した.右大腿ヘルニア嵌頓疑いにて当科へ紹介された.来院時所見は右鼠径靱帯尾側に圧痛を伴う40×30 mmの弾性軟な腫瘤を触知した.腹部超音波検査,腹部単純CT検査にて右大腿管内に虫垂の嵌頓が疑われ,de Garengeot herniaと診断した.同日,緊急手術を施行した.ヘルニア囊を開放すると少量の漿液性腹水と発赤,腫脹した虫垂先端部を認めた.鼠径靱帯を切離し絞扼を解除した後に虫垂切除を行った.ヘルニア修復はMcVay法にて行った.術後の経過は良好で術後7日目に退院した.今回,術前診断により術式選択と麻酔法の選択決定が可能であったde Garengeot herniaを経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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