昨日の患者
幼子へのビデオメッセージ
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.174
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211512
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癌で幼い子供の行く末を見守ることができなくなったとき,残して逝かざるをえない我が子に母親として何ができるだろうか.幼子への母としての想いを,ビデオレターに託した患者さんを紹介する.
Tさんは20代後半の小学校教師で,同じ小学校教師の夫との間に1歳の息子がいた.食欲不振と倦怠感で検査を受け,胃癌と診断された.そして胃切除術を施行したが,進行期のスキルス癌であった.術後に強力な化学療法を施行したが,癌性腹膜炎となり腹水が貯留した.死を自覚したTさんは,最愛の息子に対する想いをビデオ収録することを思い立った.
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