病院めぐり
おだクリニック日帰り手術外科
小田 斉
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1おだクリニック日帰り手術外科
pp.1299
発行日 2016年10月20日
Published Date 2016/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211332
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玄界灘を臨む福岡市は新鮮な海の幸と辛子明太子やとんこつラーメンなど豊富な食材と美味しい料理が揃う地です。近年は東アジアの玄関口として国際交流も盛んになりました。当院は、日帰り手術に専門特化した6床の有床診療所として2007年10月に福岡市に開院しました。
日帰り手術は1970年代に米国で始まり,日本では1990年代後半から少しずつ普及しています.当院が開業した時期には日帰り手術センターを併設する病院や日帰り手術専門診療所が全国に10か所ほどありました.日帰り手術は外来で行う簡単な手術ではなく,鼠径ヘルニア,胆石症,下肢静脈瘤など,数日間から1週間ほど入院を要していた比較的大きな外科手術を日帰りで行うことを意味します.日帰り手術による患者のメリットは,入院の煩わしさがない,入院中の仕事や家族の世話などを心配しないで済む,入院費用がない分だけ支払いが少ないなど,数え上げたらきりがありません.病院のメリットは,入院ベッドを有効に活用でき,患者が口コミなどで多く集まることです.さらに保険者のメリットは,入院医療費の削減効果です.「三方一両損」という大岡越前守の名裁きがありますが,日帰り手術は患者,病院,保険者にメリットを生む「三方一両得」です.価値(value)=質(quality)÷価格(cost)という経済理論に基づき,当院では入院手術と同等の高い質の医療を入院費用のない低価格で提供し,日帰り手術の価値を高めることを目標にしています.
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