Japanese
English
臨床報告
腸間膜膿瘍を伴う空腸憩室穿通の1例
A case of jejunum diverticulum penetration with a mesentry abscess
吉村 俊太郎
1
,
絹田 俊爾
1
,
丸山 傑
1
,
輿石 直樹
1
,
木嶋 泰興
1
,
山口 佳子
2
Shuntaro YOSHIMURA
1
1竹田綜合病院外科
2竹田綜合病院病理科
キーワード:
空腸憩室
,
消化管穿通
,
憩室穿通
Keyword:
空腸憩室
,
消化管穿通
,
憩室穿通
pp.495-498
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210720
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要旨
症例は86歳,女性.来院3日前より腹痛,嘔気を認め当院を受診した.臍左側に圧痛,反跳痛を認め,腹部CTで小腸間膜内に限局したair bubble,周囲脂肪織濃度の上昇を認め,小腸穿通と診断し緊急手術を施行した.開腹所見で腹水は認めず,Treitz靱帯より30 cm肛門側の空腸間膜に10×5 cmの発赤,硬結を認め,空腸間膜内膿瘍が疑われた.全小腸を検索したが穿孔部位は認めず,膿瘍を伴う腸間膜を含めて小腸部分切除を施行した.病理組織学的検査で憩室炎に続発した空腸憩室穿通と診断された.小腸憩室は穿通,穿孔をきたす頻度は低く比較的稀な疾患であるが,画像診断で小腸周囲の限局したair bubble,脂肪織濃度上昇を認めた場合は本疾患を念頭に置き緊急手術を考慮すべきであると考えた.
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