Japanese
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特集 頸部腫瘤の臨床
診断と治療の実際
唾液腺疾患
Salivary gland diseases
宮下 久夫
1
Hisao MIYASHITA
1
1東京都立駒込病院耳鼻咽喉科
pp.485-499
発行日 1987年4月20日
Published Date 1987/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209670
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頸部腫瘤としてみられる唾液腺原発腫瘍では大唾液腺が問題になる.これらは耳下腺・顎下腺・舌下腺であるが,分泌腺であることのほかに顔面神経とかかわり深い点で共通している.耳下腺腫瘍においては極めて多彩な組織型を示すことが特徴的である.
多くは良性腫瘍であるが,こうした事実をふまえないと安易な生検あるいは手術によつて思いがけない唾液瘻形成,顔面神経麻痺や腫瘍の再発,撒布をひき起こす.
腫瘍と診断されれば手術が主体となる.良性であれば顔面神経を保存し,悪性であれば神経の部分切除または神経移植を考慮した十分な切除が必要である.放射線治療,化学療法はその後の附加的な治療となる.
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