Japanese
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特集 消化管のEmergency—穿孔・破裂
いわゆる特発性破裂の病態と治療—特発性大腸破裂
Clinicopathologic features and treatment of idiopathic rupture of the colon
黒島 一直
1
,
寺田 宰
1
,
愛甲 孝
2
,
島津 久明
2
Kazunao KUROSHIMA
1
1寺田病院
2鹿児島大学医学部第1外科
pp.343-348
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209650
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特発性大腸破裂は稀な疾患である.そして定義上の混乱を防ぐため肉眼レベルでの広義のものと組織学的に裏付けられた狭義のものとに分けたほうが良い.発生機序・誘因に関しては糞便蓄積と腸管・腹腔内圧の関係が最も示唆される.その臨床像は高齢者に多く,部位別ではS状結腸の腸間膜付着部対側に最も多い.死亡率は30%であるが予後を左右するのはsepsisの存在であり,術前に白血球数が4,000/mm3以下の症例やshock合併例は要注意といえる.手術に関しては腹腔内汚染の軽いものは縫合閉鎖術などが行われるが,全身状態が悪く汚染が強度のものに対してはHartmann手術,exteriorizationが安全な術式といえる.
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