画像診断 What sign?
Stepladder appearance
佐藤 豊
1
1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.92
発行日 1984年1月20日
Published Date 1984/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208534
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小腸閉塞は腸管の機械的閉塞mechanical obstruc—tionのうちで最も頻度の高いものである.小腸閉塞の腹部単純所見には閉塞部より口側の腸管拡張,鏡面形成および肛門側腸管の虚脱などが挙げられる.立位では閉塞の早期に臥位で口側腸管の拡張が不明瞭な場合にも明らかな鏡面形成をみることがあり,機械的閉塞の有無や穿孔に伴う腹腔内遊離ガスの検索に役立つ.鏡面形成は麻痺性イレウス,急性胃腸炎などでもしばしばみられるが閉塞に伴うものでは一つの腸係蹄の両端の鏡面レベルが異なるのが特徴である.立位では腸管の下降により骨盤腔の陰影が増強し,腹水や,閉塞の原因となる腫瘤性病変がある場合にもこれらが不明瞭になるために背臥位の撮影を併せて行う.遠位小腸閉塞の臥位像では拡張した一つの腸係蹄の下に次の係蹄が重り脚立状stepladder appearanceを呈する.また拡張した空腸では小腸粘膜襞valvulae conniventes,Kerkring's foldが目立ちいわゆる"herringbone"appearanceを呈する.
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