Japanese
English
臨床報告
V-P shuntチューブによる腸管穿孔の1例
A case of bowel perforation by ventriculoperitoneal shunt tube
鈴木 望
1
,
田中 達也
1
,
大神 正一郎
1
,
米増 祐吉
1
Nozomi SUZUKI
1
1旭川医科大学医学部附属病院脳神経外科
pp.557-560
発行日 1983年4月20日
Published Date 1983/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208298
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はじめに
水頭症の治療には脳室腹腔短絡術(V-P shunt)が広く施行されており,シャント機能不全には複雑なものが多い.なかでも腹側チューブによる腸管穿孔は比較的稀な合併症であるが,これにより腹膜炎はもとより逆行性髄膜炎,脳室炎を併発することが多いため,早期診断,早期治療が必要である.また脳室と腹腔内を生体異物であるチューブを使用して短絡させるという特殊な構造上,脳神経外科および腹部外科双方に関連ある問題として重要である.今回,われわれはV-P shuntを受けた患者がリハビリテーション中に虫垂炎に罹患し,開腹術後腹側チューブが上行結腸に穿孔し,髄膜炎を起こした1例を経験したのでその症例を報告し,シャントチューブによる腸穿孔例を文献的に集計し,若干の考察を加えた.
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