Japanese
English
特集 最近の呼吸管理法をめぐるQ&A
外科領域での呼吸不全
Acute respiratory failure in the surgical patient
藤井 千穂
1
,
鈴木 幸一郎
1
Chiiho FUJII
1
,
Koichiro SUZUKI
1
1川崎医科大学救急医学科
pp.833-839
発行日 1980年6月20日
Published Date 1980/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207450
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○本稿では外科領域の呼吸不全ということで,おもに急性呼吸不全について述べていく.
Q1 呼吸不全,ARDS,ショック肺とは?
1.呼吸不全(respiratory insuMciency or failure)
呼吸不全の普遍的な定義はまだ確立されたものはない.呼吸不全とは「動脈血ガス分析値に異常をきたし,そのために生体の正常機能が障害された揚合で,循環不全に対応するもの」といわれている1〕.そしてPao2<60mmHgまたはPaco2>49mmHg(Campbell2)),Pao2<50mmHgまたはPaco2>50mmHg(Filley3))をその境界値としている.もちろんPao2については,年齢などの因子を考慮しなくてはならない.
一方,肺(機能)不全(pulmonary insuMciencyor failure)という言葉もある.これは心不全に対応して用いられ,肺を中心とした呼吸器系の機能が障害され,生体の要求に応じられない状態をいう.このように呼吸不全と肺不全との間には必ずしも明確な区別はなされていない.
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