Japanese
English
臨床研究
乳癌のEstrogen Receptorと臨床との相関
Estrogen receptor in breast cancer and its clinical correlation
青木 孝文
1
,
児玉 宏
1
,
日笠 頼則
1
,
柏原 貞夫
2
,
倉本 信二
2
,
前谷 俊三
2
,
香川 嘉宏
2
,
田中 英夫
2
,
松末 智
2
,
中村 義徳
2
,
山辺 博彦
3
,
市島 国雄
3
,
小橋 陽一郎
3
Takafumi AOKI
1
1京都大学医学部第2外科
2天理よろづ相談所病院腹部一般外科
3天理よろづ相談所医学研究所病理
pp.1303-1307
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207264
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はじめに
乳癌に対して,外科的治療,放射線治療,癌化学療法,免疫療法等の他に,ホルモン療法が行なわれている.乳癌に対するホルモン療法には,卵巣・副腎・下垂体摘出術,静脈吻合術,卵巣放射線照射,男・女性ホルモン剤投与による薬物療法等があり,進行乳癌の一部に有効であることが知られている.
乳癌のホルモン依存性については,エストロゲン,テストステロン,プロラクチン,プロゲステロン,コーチゾール,GH,HPL等の関与が知られている1,2).この内,エストロゲンについては,Jensen3)等が3H-Estr—ogenを用いて臓器特異性を示して以来,エストロゲンレセプター(以下ERと略す)の研究がなされていた.ERには細胞質レセプター(8S)核レセプター(5S)とが存在する.エストロゲンは細胞質レセプターと結合し(ER複合体),温度依存性(25〜37℃)にReceptor Transformationを起こして,核レセプター複合体を形成し,更にクロマチンに結合,RNA合成,蛋白合成が促進される(Two-step interaction theory)とされている4-11).
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