Japanese
English
臨床研究
ペースメーカー移植の臨床
Pacemaker implantation
熊崎 俊英
1
,
岡田 英也
1
,
松本 一明
1
,
鈴木 克昌
1
,
藤浪 隆夫
2
,
岡戸 洪太
2
,
千田 勝二
2
Toshihide KUMAZAKI
1
1名古屋市立大学第1外科
2名古屋市立大学第1内科
pp.91-95
発行日 1974年1月20日
Published Date 1974/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205963
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はじめに
人工ペースメーカー(以下P.M.)とは,心臓に対する人工の歩調取り1)であり,その臨床応用は1952年Zollが胸壁体外電極を使用した2)のにはじまり,その後の医用電子工学の進歩および心疾患の診断技術の向上さらには心臓外科の進歩に伴つて急速に発展してきたものである.しかしわが国におけるP.M.の使用数は欧米諸国のそれと比べて極めて少ない.すなわち1971年までに,人口100万人に対するP.M.植込み患者数は,アメリカのそれの9%程であり,スウェーデンの4%程度であるとされている.この様にわが国のP.M.使用症例数が著しく少ない理由の1つには,わが国における成人心臓病の発生率が欧米諸国に比べて少ないことをあげることができるが,その他の大きな理由として,一般へのP.M.に関する知識の普及度が低いことがあげられる.前者に関しては,わが国における食生活の欧米化等に伴つて年毎に心臓病による死亡率が急激に増加してきており3),P.M.移植適応症例も今後急速に増加してくるものと思われる.
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