Japanese
English
特集 再発癌—follow-upとその治療
Ⅳ.胃癌
再発胃癌の治療について—残胃再発を中心に
Therapy of recurrence of the stomach carcinoma:Studies on the recurrent carcinoma of gastric remnant
古沢 元之助
1
,
三戸 康郎
2
Motonosuke FURUSAWA
1
1国立病院九州がんセンター
2九州大学医学部第2外科
pp.955-963
発行日 1973年7月20日
Published Date 1973/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205843
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はじめに
胃癌に対する広範リンパ節廓清や制癌剤の合併療法などによつて,胃癌治癒切除例の術後5年生存率は60%を越えるようになつたが,進行胃癌の多い現状では,なお多く胃切除後に再発例がみられる.したがつて,胃癌の治療として,早期発見による早期治療のほかに,胃切除後の再発例に対する治療も積極的に行なわれるべきであるが,現状では,その治療成績はかんばしくない.
胃癌の胃切除後の再発様式は,残胃ないし胃切除断端からの再発,胃以外の癌浸潤部位からの再発,転移巣からの再発などがあるが,実際にはこれらのものは混在している場合が多く,また,再発巣からの転移ということもあり,病像は一般に多彩で,各症例について正確な再発様式を決定することは困難であるが,臨床的には,主なる再発様式として,局所再発としての残胃再発のほか,腹膜再発,リンパ節再発,肝転移などをあげることができる.そして,これらの再発例に対して,再切除あるいは通過障害などに対するバイパス手術などの再手術や制癌剤による治療などが考えられるが,今回は,われわれが経験した胃切除後の残胃再発(再燃も含む)について述べ,それらの症例に対して行なつた再切除の成績について考察してみたい.
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