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特集 心臓と血管の外科
綜説
血管重層縫合法
Insertion:Anastomosis of the aorta
曲直部 寿夫
1
Hisao MANABE
1
1大阪大学医学部第一外科
pp.469-471
発行日 1970年4月20日
Published Date 1970/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205076
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血管縫合法の手術手技について,稿を求められたが,この問題に関しては,すでに数多くの教科書,文献の発表されているところである.本誌でも昨年10月号から血管外科手技として三島氏の懇切な記載がある.そこで本稿では著者が数年前より試みている血管の重層縫合法について述べたい.
硬化性動脈瘤の手術に際して,瘤を形成していない部分で瘤を切除し,この部分に代用血管の吻合を行なうのが通常であるが,症例によつては,全身性の粥状硬化が強く,この部分の血管壁がかなり脆弱になつており,また時には,この部に石灰化を認めることがある.さらに,より健常な部位を求めても,全身性の変化がすでに広汎におよびあるいは腹部大動脈瘤においては腎動脈分岐部の末梢と中枢側での手技の複雑性の相違に鑑み,この病変のかなり高度な部分にての吻合を遂行せざるを得ないことをしばしば経験する.
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