Japanese
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特集 最良の手術時点
術後出血
Post-operative hemorrhage
服部 孝雄
1
,
阿部 和哲
1
Takao HATTORI
1
1九州大学医学部井口外科
pp.505-510
発行日 1968年4月20日
Published Date 1968/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204562
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はじめに
再手術には,①二段階ないし多段階手術に対しておこなわれる場合と,②術後合併症に対しておこなわれる場合とがある.このうちで,第一の段階的手術とは,手術目的を1回の手術で完了せずに,2回とか3回とかにわけて行なう場合であって,全身的な原因あるいは局所的な原因によって,このような手段がとられる.始めから段階的にわけて行なうことを予定する場合もあり,また一期的に行なうつもりのものが,術中の所見または予期せざる全身状態の急変のために,段階的手術に方針がかわる場合もある.いずれにせよ,現在でも臨床的にはしばしば遭遇することで,胃癌において幽門部狭窄症状の強い場合や,直腸癌においてイレウス症状をもつて来診せる場合は,救急的に胃腸吻合または人工肛門の造設を行なつて,全身状態の改善を見た上で,2期的に根治手術を施行するようなやり方が,これにあたる.しかしながら,一般に外科領域において「再手術」という場合は,術後合併症に対するもの,しかもいわゆる早期の術後合併症に対するものを意味することが多い.
したがつて再手術の適応が決定される場面において,深刻な苦悩に陥いることを,多くの外科医はすくなからず体験している.
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