特集 外科と内分泌・2
副腎外科の臨床
永井 良治
1
Ryoji NAGAI
1
1名古屋大学医学部今永外科
pp.167-173
発行日 1965年2月20日
Published Date 1965/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203533
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はじめに
外科的治療の対象となる副腎疾患は副腎皮質または髄質に発生する腫瘍および過形成(Hyperpl-asia)である.この他末期乳癌ならびに前立腺癌,重症高血圧,特発性脱疽,重症糖尿病,腹水等に副腎剔出術が行なわれるが,本稿では触れない.
副腎は周知のごとく発生学的,組織学的ならびに機能的に全く異なつた2つの部分すなわち皮質および髄質から成立つている.而して皮質は中胚葉性で性腺髄質(睾丸間質細胞,卵巣濾胞細胞)と共通の起源をもつており,他方髄質は外胚葉性で交感神経細胞と共通に神経隆起に源をもつ.したがつてこれらの部分から発生する腫瘍が全く性格を異にすることは容易に理解されるところで,この観点から副腎腫瘍を次のごとく分類することができよう.
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