Japanese
English
症例
鎖肛(直腸および肛門閉鎖)に対し一次的腹腔会陰式肛門形成術に成功せる1例
A case of atresia ani (atresie of anus and rectum) successfully repaired by primary abdominoperineal Proctoplasty
織畑 秀夫
1
,
坪井 重雄
1
,
伊野 照子
1
,
久慈 直太郎
2
,
野田 三郎
2
,
畑山 道子
2
Hideo ORIHATA
1
,
Naotaro KUJI
2
1東京女子医大外科教室
2日本赤十字中央病院産院
1Dep't of surgery Tokyo Woman's Medical College
2Lying in Part of Japanese red-cross Central Hospital
pp.265-270
発行日 1960年3月20日
Published Date 1960/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202572
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緒言
すでに欧米諸国における小児外科領域における開胸開腹手術の進歩は著しいものがある.しかし日本においては未だ劣る点が少くない.新生児の開腹手術も亦その1つと云うことができる.しかし幸いなことに,近年わが国においても小児科,産婦人科の盛んな努力により,また同時に外科手技,麻酔技術,手術前後の輸血輸液および優秀なる化学療法等の進歩により漸く新生児の開腹手術が安全且つ必要なものとして発展するようになつてきた.勿論,未だ欧米に比しては相当に遅れているので,今後一層の研究と努力を要する分野である.
われわれは昭和34年4月,日本外科学会で7例の生後1週間以内の新生児の開腹手術についての経験を報告したが,そのさい,第6例目の症例として生後19時間で腹腔会陰式に一次的に肛門成形術に成功した鎖肛(直腸および肛門閉鎖)について簡単に報告したが,このような一次的根治手術の報告はわが国では最初の例であるので,ここにその詳細を報告し,検討を加える次第である.
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