Japanese
English
症例
全身皮下に多発せる交感神経節細胞腫の1例
Report on a case of multiple ganglioneuroma occured subcutaneously
伊藤 紀克
1
,
田辺 達三
2
,
佐野 量三
3,4
Norikatu ITO
1
,
Tatsuzo TANABE
2
,
Ryozo SANO
3,4
1青森県立中央病院外科
2北海道大学医学部第二外科
3青森県立中央病院病理検査科
4北海道大学医学部第2外科教室
pp.171-173
発行日 1960年2月20日
Published Date 1960/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202556
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緒言
交感神経節細胞より発生する腫瘍は1870年Lo-retzの胸部交感神経より発生したGanglioneuromaの記載に始まり,1891年Marchandにより最も未分化なNeuroblastomaの起源が明らかにされ,さらに1901年Benekeによつて両者の移行型Ga-nglioneuroblastomaの存在が知られ,交感神経細胞腫瘍の系統が解明された.
Ganglioneuromaは交感神経細胞の存するいずれの部位にも発生し得るが,就中副腎,胸腹部等の交感神経節に好発する.しかし全身皮下に多発した例は極めて稀で内外の文献を通じて1898年Knauss,1902年Kredel & Benekeの2例にすぎない.われわれは最近皮下に多発原発したとみられる本症の1例を得たので報告する.
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