Japanese
English
綜説
末梢動賑閉塞性疾患—特に動脈硬化性閉塞について
Peripheral arterial occlusive disease with a special reference to arteriosclerosis obliterans
稲田 潔
1
,
本吉 正晴
1
,
平賀 隆
1
Kiyoshi INADA
1
,
Masaharu MOTOYOSHI
1
,
Takashi HIRAGA
1
1岡山大学医学部津田外科教室
pp.993-1000
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202092
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近年心臓血管外科は著しく進歩し,末梢血管の疾患に対する関心と認識が深まりつゝある.心臓大血管はともかくとして,末梢血管の疾患は,欧米と本邦とではその発生頻度にかなり差異が認められている.
慢性の末梢動脈閉塞性疾患としては,本邦ではBuerger氏病(Thromboangiitis obliterans)がその代表的のものであり,斎藤1),戸田2),橋本3)氏等多くの研究がある.これと対比せられる動脈硬化性閉塞(Arteriosclerosis obliterans,老人性脱疸,Senile gangrene)は稀である.血管外科に優れた成績を発表されている木本氏等4)さえ,未だ慢性大動脈閉塞症の経験がないと述べている位で,本症に関する詳細な記載は見当らない.これは勿論,本疾患が本邦に少いためであるが,この疾患にたいする認識の乏しいこと,診断上大きな役割をなす血管造影法が充分に普及していないことによるものと思われる.
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